購買行動モデル|販促担当が知っておくべき消費者心理とは

商品・サービスが多様化し、多くの選択肢のなかから商品を購入できるようになった今日、世界中のマーケターは、広告出稿や情報発信などのPR戦略によって販促活動を行っています。しかし、商品・サービスの購入における消費者心理は多様化・複雑化が進んでいることを理解しなければ、顧客へ届かないPRとなってしまいます。

消費者へ適切に情報を届け、そして購入に繋げるために購買行動モデルを学んでいきましょう。

モノを購入するときの消費者心理について

消費者は、商品を見てから3~7秒で商品が魅力的かどうか判断する。

 

このような記述を見かけたことがあるでしょうか。人がモノを購入するとき、商品を見てから3~7秒後には自分にとって魅力的かどうか、商品を購入する価値があるかどうかの判断が下されます。

このような人の意思決定においては、二重過程理論における2つの思考が関わっています。

二重過程理論

速いこころ:情動的反応や直観的思考、欲求など
遅いこころ:合理的判断や論理的思考、自制心などの意志の力など

二重過程理論

「速いこころ」によって危険が生じた際の直感的判断をすることができます。一方、「遅いこころ」は判断するための十分な時間があるときに発揮され、合理的な判断を行うことが可能となります。

このように、人は状況に応じて二重過程理論を使い分け、モノを購入することを判断します。

意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策

脳科学の進歩によって、生きた人間の脳活動を計測したものを心理学に応用した「意思決定の心理学」。判断を下す場面において、人間の脳がどのように作用しているのかを解き明かし、二重過程理論についても解説されています。

内容は脳科学にフォーカスされていて、心理学的要素は少な目です。

購買行動モデルとは

前述したとおり、人は二重過程理論を使い分けることで購買を決定します。特に商品やサービスを購入する場合には「速いこころ」のみで判断することは少なく、多くの場合「遅いこころ」による合理的判断が伴います

この合理的判断を促す際、より購買行動に繋げるために重要なことは「消費者の購入までの意識遷移に沿った情報発信」です。適切なタイミングで適切な情報を得ることで消費者は意欲が高まり、より購買行動へと繋がります。

マーケティングにおける購買行動モデルとは、消費者が商品・サービスを購入するにあたって、認知する段階から購入するまでの一連の流れを示したものです。近年では、TwitterやFacebookなどのSNS利用者が急激に増加したことにより、購買行動モデルにも大きな変化が生じています。

消費者の購入までの意識遷移

購買を認知するためのツールの変化や消費者の購買行動の変化に着目しつつ、購買行動モデルにおけるフレームワークを見ていきましょう。

購買行動モデルに応じたマーケティング施策

認知向上を図るための具体的なマーケティング施策です。購買行動は使うツールや消費者心理に大きく左右されるため、購買行動モデルを活用したマーケティングを行う場合、自社商品及びサービスはどの購買行動モデルにあてはまるか、慎重に見極めることが重要となります。

インターネット普及時代の購買行動モデル|AISAS

AISASモデル

AISAS(アイサス)は2005年に電通によって提唱された、インターネット普及時代における購買行動モデルです。

インターネット普及前と比べて大きく変わった項目はSearch(検索)とShare(共有)です。今までは、商品に関する認知を獲得した後に「商品を購入したい」と感じさせる欲求やきっかけさえ与えてしまえば、大きなハードルもなく、すんなりと購入してもらえました。

一方、AISASの購買行動モデルではAction(購買)する前にSearch(検索)という大きなハードルが存在しています。興味関心が引き出せたと思ってもインターネットで検索した結果、商品に対するマイナスイメージの口コミが多数出てきてしまったら購買行動に繋がらなくなってしまいます。そこで、多くの企業は、商品が高評価を得るように改良を加えていることはもちろん、インターネット上の口コミに対してもアンテナを張り、マイナスイメージが検索結果上位に出てこないような対策も行います。

SNS普及時代の購買行動モデル|SIPS

SIPSモデル

AISASよりも更に進化した、SNS普及時代の購買行動モデルのSIPS(シップス)についてご紹介します。こちらは2011年に電通コミュニケーションデザインセンターの社内ユニットによって提唱されました。このモデルはあくまでSNSに対応した購買行動を図化したものですので、販売戦略として活用する場合にはAISASと併用し、インターネットとSNSの両輪で考えることを前提としてください。

AISASとの大きな違いは、サイクルの主体が異なることにあります。AISASは、まず販売元の企業から情報を発信し、消費者に認知を植え付けることから始まります。しかし、SIPSは、最終的には消費者が発信した情報により、新たな消費者に認知が植え付けられることで購買サイクルに繋がります。

(参考)SNS普及時代のモデル|AIDMA

AIDMAモデル

SNSがまだ主流ではなかったころのマーケティングモデルにAIDMA(アイドマ)というものがあります。これは、消費者が物を購入するときの購買行動を「注意➢興味➢欲求➢記憶➢購入」という5つのフェーズに分けて分析するものです。

1920年代に活躍したアメリカの経済学者 サミュエル・ローランド・ホールによって提唱されたものの、SNSの普及によりAISASやSIPSへと移行しました。

費用対効果を図る指標|ROI

投資利益率を図るROI(読み方:アールオーアイ)は、広告を打った結果としてどの程度の成果が出たか検証するための方法で、マーケティング以外にもM&Aや経営にも応用できる万能フレームワークです。

ROI(Return on Investment)
投下資本利益率 / 投資利益率
ROIの算出式を見ていきましょう。
利益・効果÷広告投資額×100%
一例を見ていきましょう。

広告投資額:40万円
広告経由の利益:130万円
原価:10万円
(130万円ー10万円)÷40万円×100%=300%

広告投資に対する効果であるROIは300%であることが分かります。
このように、広告投資に対する効果を検証することで、PDCAサイクルや広告戦略への活用、今後の事業展開における判断材料となります。

購買行動モデルを活用して効率的な広告を

以上、消費者心理における購買行動モデル、そしてそのフレームワークについて見てきました。時代の経過とともに商品・サービスの認知獲得の方法及び購買行動に変化が生じ、現在ではインターネット普及時代の購買行動モデル:AISASやSNS普及時代の購買行動モデル:SIPSが主流となっています。

そして、購買行動モデルに合わせて情報発信、広告出稿後にはROIで費用対効果の検証も行い、次の事業に繋げていくことも非常に重要です。

日々移り行く購買行動モデルを正しく捉え、確実に消費者の心を掴み取る戦略を行いましょう。

最後に|おすすめ書籍

不合理だからうまくいく|行動経済学で人を動かす

この書籍は行動経済学に関する心理学的な要素が強いです。著者のさまざまな仮定から人々の行動を調査、解明しており、購買行動モデルと類似した内容も含まれています。

著者の経験談もふんだんに盛り込まれているため、ビジネスに応用できる場面も多く描かれています。

必携インターネット広告プロが押さえておきたい新常識

JIAA:日本インタラクティブ広告協会  という団体が発行している、まさにインターネット広告を配信している方は必ず持っておくべき広告バイブル本です。

JIAAはインターネット広告が信頼されるメディアとなるように平成11年に設立された、インターネット広告の番人です。インターネット広告の歴史や、広告運営の実務までを幅広く掲載されており、広告業界の全体像をつかむのに最適な本です。

顧客がほしいと思う30の「価値要素」(電子書籍)

ハーバード・ビジネス・スクールの機関紙として発行されているDIAMOND ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された論文です。海外の最先端で活躍する著名人が記述した論文のため、今すぐ業務に応用することは難しいかもしれませんが、新たなアイディアのインプットとしてぜひご一読ください。

電子書籍では、この論文以外にも購買行動に関することやマーケティングに関することなどを販売しています。

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